この自分のサイトの中に「運動を健やかにあきらめる」という項目を作ったものの、未だ言葉にならないところをどのように表現したらいいのか未完成な部分もあります。かと言ってこのままいつまでも放置しておくのは気が引けるのと、少しでも真相に近づきたい思いもあって「あ〜そういうことか」となることを期待しながら何回かに分けて書くことにします。

運動が嫌いな子の気持ちが分からない

私、とにかく身体を動かすことが好きで、小学校の通信簿には「休み時間や体育の時間は元気で活発な子です。教室での授業ももう少し元気があるといいです」というような内容を毎回書かれていた子供でした。外に出て遊んでいると目立つ子でした。母からは有り余ったエネルギーを発散させるためにスイミングクラブに入れたと聞かされています。

当時、毎週スイミングクラブに通っているような子供はクラスに一人か二人。背もグングン伸びて、体力もつくから、中学校に上がる頃には記録会と名の付くものにも出場して、たまにメダルがもらえるくらいの成績でした。この頃までは、泳ぐ、走る、跳ぶ、投げる、取る、打つ、のような運動は全部大好きでした。

クラスの中には、泳げない子、走るのが遅い子、投げたり取ったりが下手な子もいたはずなのですが、それが全く思い出せません。記憶にないのではなく、当時から関心がなかったのだと今更ながら気づきました。きっといたはず!運動が嫌いな子。その子の気持ちなんて知るよしもない子供時代でした。

練習嫌いだったスイミング時代

泳ぐのは気持ち良くて大好きでした。水が身体にまとわりついてくる皮膚感覚、外界の音が遮断されて全く違う音声が聞こえてくる世界、身体がグニャグニャ動く柔軟さ、素早く動こうとする時の水の圧力や抵抗。どれも水の中にいると体験できることです。それが泳ぐおもしろさを教えてくれました。

唯一、嫌だったことは息が苦しいこと。上級クラスに上がるにつれて練習量も運動強度も増していきます。呼吸が制限され息が苦しくて、どうにも耐えられず、だんだんと練習嫌いになりました。練習がきつくなるとそうなるのは当たり前なのですが…

どうやって練習をサボろうか・・特に選手コースにいた時はそればかり考えていました。年上の人のサボり方を真似してみたり、ワザと遅刻したり、親にしてみれば真面目に通っていると思っていたでしょう。サボっていたなんて知らないはず。だいぶ後ろめたさはありましたが、練習なんてなければいいのにな、とずっと思っていました。

競い合うこと

ある時まで自分は負けず嫌いだと思いこみたかった時期がありました。選手コースに在籍しているとJr.オリンピックやいろんな記録会にエントリーします。身の入った練習もしないから自己ベストもなかなか出なくなります。でも負けず嫌いであることが選手としての必要だ、負けず嫌いと言っているのがカッコイイみたいな風潮がどこかにあって、そこに流されていく自分がいました。人と競い合うなんて本当は興味なくて、ただ気持ち良く泳いでいたいだけなのに…だいぶ我慢していましたね、この頃は。

プールのない高校

中学卒業後、水泳部はあってもプールのない高校に進学しました。1年生の時は他の高校まで遠征して練習です。2年生になって学校に大きな体育館が建ってその脇におまけで作ったような小さなプールができました。20mしかないから記録会ができません。これは私にとってラッキーでした。綺麗なプールで練習がキツくない!だけど泳いでいられるので楽しかった思い出しかありません。この頃もスイミングクラブには行っていましたが「水泳部の練習があります」とか何とか言って、キツイ練習はサボりまくっていました。3年生の最後の試合が終わると同時に水泳部引退、スイミングクラブも同時に辞めました。プールがない高校に行ったおかげでタイムを競う競泳と少し距離をおいて、でも楽しく泳いでいた高校時代。これでキツイ練習ともおさらばです!グッバイ!!

教えてくれたコーチ

選手コースに上がる前のコーチのことを書いてみます。ちょっと泳げるようになった私は昇級して夕方クラスに移籍しました。このクラスでそこそこ泳げると選手コースに推薦してもらえるので練習量もぐっと増えました。担当コーチは見た目も怖そうな鬼顔。声もデカいしプールサイドいっぱいに響き渡っているし。とにかく圧が凄い。戦々恐々な私でした。

鬼コーチ、実際のところはどうだったかと言うと、練習メニューについていけないとフォローしてくれました。鬼顔も練習後は笑顔で迎え入れてくれました。恐怖を感じるほど目くじら立てて怒鳴られた記憶はなく、恒例行事的にたまに落とされる雷くらいなもんでした。

鬼コーチの練習はキツかったけど目利きなコーチでした。どの泳ぎ方よりも背泳ぎのセンスがあることを見つけてくれて、この時以来、私の専門種目は背泳ぎになりました。息継ぎが楽にできる背泳ぎバンザイ!!

運動嫌いと言うよりも

スイミングクラブと水泳部の掛け持ちをして腐りながらも泳いでいたので、運動嫌いではなくただの練習嫌い。運動嫌いの子の気持ちなんて相変わらず知るよしもない高校時代でした。